17,114 回視聴 精神科の病気、全部説明します 精神医学概論③
精神科の病気、全部説明します 精神医学概論③
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<本の紹介>
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精神科医がやっている聞き方・話し方
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00:00 OP
02:40 外因性疾患
05:55 内因性疾患
09:52 知的な問題
13:33 不安障害
14:25 強迫性障害
15:49 依存症
17:10 トラウマ
18:19 ヒステリー
20:15 人格障害
本日は「精神科の病気というのはどういうものがあるのか」ということを一覧にしたので、ざっくり解説してみます。
精神科というのは心の病気だということで、色々な病気があって、無限に病気がありそうですよね。
自分の病気はどれなんだろうということで、みなさん心配になったりするし、なかなか良くならないということは病名が違ったんじゃないか、診断が間違っているんじゃないか、と思って不安になる方も珍しくないと思います。
HSPとかアダルトチルドレンとか、精神科のいわゆる病名ではないけれど、いろいろ流布されている病名的なものというのはあったりします。自律神経失調症とか。
病名とは違って民間用語であって医学用語的ではなかったりするので、混乱されることも多いと思いますが、とりあえず今回は医学用語としての精神科の病名を解説します。
全般的なものです。あと、有名どころはきちんと説明します。
ここに載っていない病気もあるのですが、基本的には今ここにある病気のサブスペシャリティというか、特殊型だったりするので、あまり大きく診断がずれるわけではないということもお伝えできたらなと思います。
あと一応分類をしたのですが、これは正確な病気分類ではありません。
DSM-5やICD-10の分類方法とはちょっと違って、わかり易くするため、説明し易くするために、分類法を一部入れ替えたりしています。
きちんとしたカテゴリーで学びたい方は、他の動画を見ていただくかDSMやICDを読んでもらうといいと思います。
あくまで概略を掴むためにこういう風に分けているということです。
プロの方、お手柔らかに聞いてもらえたらと思います。
■外因性疾患
まず外因性疾患、身体の病気が原因で精神の異常をきたす病気群は何があるか。
・脳炎
最近はあまりないんですけど、昔は梅毒とか結構あったようです。
ウィルスや細菌による感染の脳の炎症反応が起き、奇異な言動や妄想に支配される病気を脳炎といいます。
・ステロイド精神病
色々な病気の治療中にステロイドを使うことがあるのですが、ステロイドを使っている時に、精神の異常をきたしたりすることがあります。
そういうものをステロイド精神病というのですが、意外と見逃されやすいなという感じです。
・甲状腺機能低下症
甲状腺というのが喉の辺りにあって、ここは元気を出すホルモンです。
ここから元気が出るホルモンが出るのですが、ここの機能が落ち込むとうつ病のような症状になります。
それを甲状腺機能低下症といいます。
・せん妄
あとは、身体の病気が原因で一時的に精神がおかしくなってしまうことをせん妄と言ったりします。
有名なのはICUせん妄、術後せん妄と呼ばれるものです。
アルコールの離脱せん妄と呼ばれたりするものがありますが、身体に負荷がかかった後で精神が錯乱してしまうものをせん妄と言ったりします。
・認知症
老化による脳の萎縮などによる記憶障害です。
アルツハイマー型認知症、脳血管型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症が代表的です。
・てんかん
精神疾患のコードには入っていないのですが、てんかんです。
てんかんも精神科で診たりします。
てんかんの前後で精神障害があったり、性格がちょっと変わる、そういうこともあったりします。てんかんは結構不思議なんですけど、そういう病気があります。
最近は高齢者のてんかんが多いんです。
認知症と思ったら実はてんかんだった、複雑部分発作だったということがあったりするので、ここも精神科ではよく扱います。
てんかんがあることで何か気分が落ち着かない、そういうのもあったりしますので精神科の領域となります。
ただウチみたいなクリニックは、てんかんはちょっと診づらかったりします。
それはなぜかというと、脳波検査ができないからです。
認知症もMRIを取っていないからできないじゃないかと言われそうですが、認知症は診ています。
東京だと画像専門のクリニックがあるので、そこと連携して認知症を診たりしています。
せん妄はオペ後だったりするので、総合病院で診たりするし、脳炎、ステロイド精神病も元々の身体疾患を治すことで良くなるので、基本的には総合病院で診たりします。
甲状腺機能低下症もそうかな、ということです。
これが身体の病気で起こる精神疾患の代表的なものです。
■内因性疾患
次に身体の病気ではないけれども薬が効く群、いわゆる内因性疾患と呼ばれていた群です。
今は脳の病気だとわかっていないけれど将来的にわかるんじゃないか、と考えられて分類された内因性疾患と呼ばれるものがあります。
昔は妄想を伴うことが多かった。
うつ病であれば、罪業妄想(自分が悪いんじゃないか、罪深いんじゃないか)という妄想を持つ、貧困妄想(自分はお金がないんじゃないか)そういう妄想を持ったり。
双極性障害の躁状態のときには万能感というか誇大妄想です。
自分は天才なんだ、自分は天皇の生まれ変わりなんだ、とかです。
あとは統合失調症のような被害妄想、幻覚・妄想、幻聴がある、注察妄想(ずっと見られているんじゃないか)、そういう妄想があったりします。
こういう妄想を持つ重症化する病気だったので、内因性疾患と呼んでいたのですが、今日では妄想が見られないことも普通ですし、他の病気でも妄想のようなものを持つことがあったりするので、昔ながらの分類方法はちょっと崩れつつあります。
ただ、薬物が効くという点では、やはり何かしら脳の病気というか、他の病気とはちょっと違うんだろうなと解釈されている仲間です。
うつ病、双極性障害、統合失調症です。
うつ病の仲間としては月経前気分不快症(PMDD)です。
PMSという言葉の方が聞き慣れているかもしれないですが、精神科の場合は月経前にイライラだけじゃなく落ち込むような精神症状があるので、PMDDと呼んだりします。
うつ病の仲間ではないのですが、適応障害です。
ストレスがたまることによってうつになってしまうものを適応障害と言います。
これもここに入れておきます。
あとは、双極性障害に似た仲間としては季節型うつ病です。
冬が来ると毎年落ち込む、夏が来ると毎年落ち込む、そういう人がいます。
それもここに括弧して置きました。
なぜここに入れておくかというと、季節型うつ病と診断されたけれど双極性障害だというパターンも珍しくはなく、双極性障害の季節性が多い人は結構いたりするからです。
もちろん、うつ病で季節性がある人もいます。
ここら辺はちょっとややこしいですね。
あと、統合失調症です。
10代発症の幻覚・妄想を伴う病気です。
50~60代から幻覚妄想を持つようなものもあります。
それは遅発性パラフレニーと言い、時々います。
10代の発症の統合失調症に比べて、すごくサイレントというか、症状が派手じゃないんです。
よく話を聞いてみると、奇妙な妄想があったりします。
ごみ捨て場に行くたびに見られているのよ、ごみ捨て場に行くたびに誰かに悪口言われてるのよ、あの商店街に行くと悪口言われちゃうから行きたくないのよね、と言ったりして、一見妄想なのか妄想じゃないのかよくわからない。
だけど「何かちょっと、お母さん最近変だな」「物忘れが多いな」「認知症の始まりかな」と思ったら実は認知症ではなくて遅発性パラフレニーという病気だった、ということはあります。
薬物治療で改善したりするのですが、一般的な10代、20代発症の統合失調症に比べて、薬物の効果は乏しかったりすることがあります。
■知的な問題
知能指数の問題として精神発達遅滞、昔の知的障害というものがあります。
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【精神科医がこころの病気を解説するChとは?】
一般の方向けに、わかりやすく、精神科診療に関するアレコレを幅広く解説しています。動画における、精神分析や哲学用語の使用法はあくまで益田独自のものであり、一般的(専門的)な定義とは異っているところもあります。僕がもっとも説明しやすいとたまたま感じる言葉を選んだだけなので、あまり学術的にとらないでいただけると嬉しいです。
早稲田メンタルクリニック院長 益田裕介
【自己紹介】
益田裕介
防衛医大卒。陸上自衛隊、防衛医大病院、薫風会山田病院などを経て、2018年都内で開業。専門は仕事のうつ、大人の発達障害。といいつつ、「なんでも診る」ちょっと変人よりの町医者です。
趣味は少年ジャンプとお笑い。キャンプやスキーに行きたいです。
2020年6月5日より断酒継続中。
【参考】
厚労省みんなのメンタルヘルス https://www.mhlw.go.jp/kokoro/
カプラン 臨床精神医学テキスト第3 https://www.medsi.co.jp/products/deta...
倫理規定について https://note.com/mentalyoutubers/n/nb...
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