シニア情報局

シニア・高齢者向けの情報を発信させて頂いております。

炊き出しに来る層が変わった~日本で増える“困窮者”「早く生活保護を抜け出したい」

炊き出しに来る層が変わった~日本で増える“困窮者”「早く生活保護を抜け出したい」

youtu.be

225,598 回視聴  2023/01/05
ホームレスの人たちを支援する「炊き出し」。このところ訪れる人の“顔ぶれ”に変化が起きているという。新型コロナによる休業や解雇、物価高などの影響で日本でも生活に困窮する人が増えている。住む家はあるものの炊き出しに並んでいた男性は、“転落”して2年が経とうとしていた。


◆炊き出しを求める人が様変わり?
「熱いので気を付けてくださいー」師走の福岡市の公園に温かい支援の声が響いた。毎週金曜日の夜に行われる炊き出しを求めて、約40人が列に並んでいた。25年以上前から炊き出しをしている「福岡おにぎりの会」は、この数年で並ぶ人たちが様変わりしたと話す。

福岡おにぎりの会・郡島俊紀理事長「野宿者の増加はあまり見られない。居宅者の年金だったり生活保護を受けている方たちが増えている傾向です」

新型コロナによる不況で解雇されるなどした「生活困窮者」と呼ばれる人たちが増えているという。取材に応じてくれた50代の男性もそのひとりだ。

50代男性「(Qどんな経緯で今の生活に?)やっぱり新型コロナ。新型コロナで解雇になって自分がやりたいことができなくて結局途方にくれた」


◆ネットカフェ生活で貯金がつき路上に
男性は料理人歴40年の桑原高孝さん(56)。取材を進めるうちに、名前と顔を出すことに同意した。桑原さんが勤めていた飲食店は、新型コロナによる営業時間の短縮などが原因で売り上げが激減した。桑原さんも2021年の春に解雇された。インターネットカフェで1か月ほど生活したものの、すぐに貯金が底をつき、路上生活をせざるをえなくなった。

桑原さん「雨が降ったらいられない。雨漏りするから。風呂はトイレでタオルで体を拭くしかない。頭洗うにしても」

その後、自立支援施設を足がかりに路上生活を抜け出し、職を転々とすることに。しかし、希望に沿う職場が見つからず、途方に暮れた。桑原さんは、炊き出しで知った「おにぎりの会」に相談し、アパートを紹介してもらった―。


◆「早く生活保護を抜け出したい」
アパートの室内には保護費で買ったものや“もらい物”が並ぶ。携帯電話も支援を受けて格安で借りたものだという。

桑原さん「(Q食事は?)レンジでできるやつです。お湯でもカップラーメンとかそうゆうのだけ。携帯はまじで必要ですよ。連絡が取れんかったらそこで信用がなくなるし」

解雇により生活が一変してから2年近くがたつ。いまも収入は、生活保護と短期のアルバイトだけだ。

桑原さん「本当だったら一日も早く保護を切りたいんだけど、でもまだ社会保険があって福利厚生が良いところを見つけてないから。どんな苦労があってもどんな逆境に立っても私はポジティブさは絶対に忘れない」


◆「料理」を職にできる日まで
桑原さんは長年、板前として腕を振るってきた。大切にしている包丁を手に取った。

桑原さん「2~30年前に買った8万円の包丁、いまだに切れる。本当は長かったけど研いで短くなった。とにかく料理が好きなんよ。料理の話をしてる時があなたが一番いい顔してるって言われる。普段そういう顔しないのにって言われる。料理の話をすると顔がにやけとるらしい」

一日も早く、自立した生活を送れるようになるため、桑原さんは就職活動を続ける。