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紅葉・登山ブーム「魔の山」にも殺到…救助要請が急増 “高額費用”請求も

紅葉・登山ブーム「魔の山」にも殺到…救助要請が急増 “高額費用”請求も

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 7日も、寒い一日となりそうですが、気温が低くなることで見頃を迎えるのが紅葉です。これから秋の登山を楽しもうとする人も多いのではないでしょうか。しかし今、山では遭難事故が相次いでいて、救助には多額の費用を請求されるケースもあります。

■登山ブーム“魔の山”にも殺到

 いよいよ、始まった紅葉シーズン。日本百名山の一つ、山形県の月山には、多くの登山者の姿がありました。

 登山者:「すごくきれいです」

 同じく日本百名山群馬県新潟県にまたがる谷川岳は、赤や黄色に色付き始め、山頂付近はすでに見頃を迎えています。

 東京から来た登山者:「初めてでしたけど、こういう所もあるんだなって。結構、感動しました」

 桐生から来た登山者:「ロープウェーが使えるので、意外と楽に行けます」

 都心からのアクセスもよく、日帰りもできるため、登山初心者にも人気な山ですが、その別名は“魔の山”です。

 谷川岳は、これまでに800人以上の登山者が亡くなっていて、世界で最も遭難による死者が多い山として知られています。

 その理由は、地形が複雑で天候の変化が激しいことにあります。

 東京から来た登山者:「めちゃめちゃ寒いね。多分、0℃を切ってる」

 谷川岳ロープウェイ・中原加代子さん:「いつ雪が降ってもおかしくない季節となりましたので。装備は万全にして、ぜひお出掛け下さい」

 コロナ禍でも気軽に楽しめると、本格的な山登りがブームになっていますが、登山は原則、自己責任。様々な危険が潜んでいます。

■富士山“遭難者”51人…去年の約3.6倍

 8月、静岡県警が公開した富士山の映像。5合目付近は晴れていますが、山頂は強風が吹き荒れ、周囲は全く見えません。標高が上がるほど、天候は荒れやすくなります。

 今シーズン、富士山で遭難した人は、静岡県側だけで51人。去年のおよそ3.6倍です。3年ぶりに行動制限がなかったため、登山者が急激に増えたことが原因です。

 静岡県警 山岳遭難救助隊・坂上雅信隊長:「これから紅葉の季節を迎えると、いわゆる低山と言われる場所での遭難が、とても多くなります」

■「電波届く所まで」夫を残し…妻が下山

 山で救助要請をした夫婦を取材。登山終盤、ちょっとした気のゆるみが原因で夫が転倒し、大けがをしました。

 山で救助を要請 Yutaroさん:「骨折だったら絶対自分で歩けないなと思ったので、救助要請しました。下に温泉があるので、早く温泉に入りたいという感じになって。いつもより、ちょっと早足で下山してしまったんですね」

 登山歴5年、毎週のように山に登っていたYutaroさん夫妻。夫は当時、「何度も登っている山だから大丈夫」と、くるぶしまで覆われず、足首が固定されない靴を履いていました。

 夫:「あっ痛、痛い痛い」
 妻:「痛いね、ここ痛いね。ここ腫れてるね」

 夫婦は、登山者への注意喚起になればと考え、救助の様子を公開しました。看護師でもあるYutaroさんは、夫の足首を包帯と添え木で固定しますが…。

 Yutaroさん:「行けない?じゃあダメじゃん、救助救助。電波の届く所まで、行ってくるよ」

 救助を呼ぼうにも、圏外で携帯電話は通じません。夫の元に食料やテントなどの装備を残して一人、下山することに。何とか電話を借りて、119番通報することができました。

 救助を待つ夫:「今、救助を待っている状態なんですけども。救助に向かって来て下さる方に、本当に申し訳ない気持ちでいっぱい。今、ヘリの音が聞こえます」

 救助のヘリコプターが到着しましたが、なんと、天候が悪化したため、この日は救出を断念。救助隊員にテントを張ってもらい、翌朝救出されました。

 診断は、全治3カ月の左足関節脱臼骨折。即手術となりました。

■民間山岳救助隊が出動…“数百万円”高額請求も

 そこで気になるのが、救助にかかる「費用」です。警察や消防による救助の場合、費用は基本的には税金で賄われるため、Yutaroさん夫妻は救助費用を負担せずに済みました。

 しかし、行政の防災ヘリであっても費用がかかる場合もあります。

 6月、埼玉県内で発生した山岳救助の様子です。

 埼玉県防災航空隊:「自力歩行不能、判断『赤』。ドクターヘリ対応事案と考えます」

 70代男性が登山中に10メートルほど滑り落ちて負傷。防災航空隊が出動し、救助に当たりました。

 埼玉県では全国に先駆け、防災ヘリの一部有償化が行われています。指定された山岳での救助の場合、遭難した人は5分ごとに5000円の手数料を払わなくてはなりません。

 平均で1時間、つまり6万円の費用を負担する必要があります。

 さらに、民間の山岳救助隊が出動した場合は、驚くべき費用が請求されることもあるといいます。

 山岳遭難捜索救助隊 岳飛・太田毅彦代表:「まずは(捜索隊の)人件費。あと、交通費に宿泊が伴えば、宿泊費用とか。一概には言えないんですけど、数十万円から数百万円とも」

 「登山届」がない場合は遭難なのか、本人の意思で失踪したか分からず、警察や消防が動けないこともあるといいます。

 太田代表:「まずは、遭難しないことが大事」

(「グッド!モーニング」2022年10月7日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp