方丈記の「ゆく川の流れ」は何が言いたいのか?
方丈記の「ゆく川の流れ」は何が言いたいのか?
『方丈記』の「ゆく川の流れ」は、常に変化し続ける世界の流れに対して、人々が抱く執着や悲しみを超越し、自分自身の内面に向き合い、自己の境地を深めることを提唱しています。
この章では、比叡山延暦寺の中興の祖である道元禅師が、弟子たちと共に磯城郡の淀川畔に住んでいた時の出来事が描かれています。道元禅師は、淀川の流れを見て「逝く川の流れに、心をあらわして、これを悲しむことなかれ」と述べ、流れる水が絶え間なく変化し続けていることを示唆しました。そして、この世界の変化を理解し、それに執着することなく、自分自身の内面を深めることが大切であると説きました。
この章は、禅の教えである「無常観」を示唆しています。人生は常に変化しており、物事は決して永遠に続くことはなく、必ず終わりを迎えます。人々は、この変化に抗うことはできず、それゆえに執着や悲しみを抱えることがあります。しかし、禅の修行によって、人々はこの変化を理解し、それに対して自分自身の内面を深め、平和を見出すことができます。