看護・介護現場のための 高齢者の飲んでいる薬がわかる本
看護・介護現場のための 高齢者の飲んでいる薬がわかる本 単行本 – 2018/10/22
秋下雅弘 (著), 長瀬亜岐 (著)
5つ星のうち3.9 36個の評価
「食べられていないのに薬がこんなに……多すぎない?」――“薬でおなかいっぱい"で、本当にいいのでしょうか。
「風邪薬で尿閉?」「鎮痛薬で腸管穿孔?」――市販薬の有害事象も積み重なれば命にかかわります。これまでずっと飲んでいたから大丈夫、とも限りません。
高齢者のそばでケアをしているからこそ気づく「本当にこれでいいのかな」というモヤモヤに丁寧にお答えする、これまでになかった薬の本。
“フタを開けてみれば、なんと薬が原因だった‼"という高齢者ならではのアクシデント事例をベースに、「なぜこんなことに+どうすればいいか+これだけは知っておきたい」を、ポリファーマシー対策のスペシャリストが、プラクティカルかつ平易に解説。
高齢者ケア現場にいるすべての人が知っておきたい、“命と生活を守る"厳選13テーマ。
<目次>
1 ポリファーマシー(多剤服用による害)
6種類以上、飲んでいませんか?
2 鎮痛薬の長期服用
思わぬ有害事象で救急搬送!?
3 せん妄の要因となる薬
せん妄の対応に薬はNG。
4 睡眠薬の使い方
機序を理解して、必要時だけうまく利用する。
5 抗コリン作用のある薬
予期せぬところで全身の不調を招く。
6 循環器疾患に使われる薬
若い人と同じようには考えられない。
7 腎排泄の薬
高齢者は腎機能が低下しているため蓄積しやすい。
8 糖尿病治療薬
薬物治療はシンプルにしたい。
9 嚥下にかかわる薬
呼吸・嚥下機能と「薬」を結び付けてケアしたい。
10 免疫抑制作用のある薬
適応が増えてきている。感染予防を忘れずに。
11 漢方薬
生死にかかわる問題へと発展する有害事象を知っておきたい。
12 早すぎる薬剤評価に注意
処方意図を踏まえて観察したい。
13 環境の変化に注意
チーム全員で薬を見直し、整理したい。
著者について
秋下雅弘(あきした・まさひろ)
1985 年東京大学医学部卒業。現在、東京大学大学院医学系研究科加齢医学講座老年病学分野・教授、東京大学医学部附属病院副院長、老年病科・科長。
高齢者の医薬品適正使用、特にポリファーマシー問題について20 年以上研究を続け、学会・新聞・テレビ・雑誌などで注意を喚起するとともに、日本老年医学会や厚生労働省による関係の指針作成の中心メンバーとして尽力してきた。他に性ホルモンの抗老化作用、フレイル、認知症について研究。
主な著書に『薬は5 種類まで 中高年の賢い薬の飲み方(PHP 新書)』など。
長瀬亜岐(ながせ・あき)
札幌医科大学大学院保健医療学研究科(地域看護学専攻)修了。現在、大阪大学大学院連合小児発達学研究科行動神経学・神経精神医学・寄附講座助教。
高齢者が地域で安心して過ごせるために、急性期から地域まで一貫したケアの大切さを追求すべく、臨床・教育・研究に従事。急性期病院勤務時には、認知症ケアチームの活動を通して、高齢者のポリファーマシーに対し多職種との調整・連携を行ってきた。
2016 年に診療看護師(NP)・老人看護専門看護師取得。