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これだけ知っていれば大丈夫。ゼロから学ぶ「抗うつ薬」メカニズムから副作用、使い方まで

 

私もうつ病ですが、薬は怖いので癒し系の音楽を聴いています。

 

きょうのランチは「豚ロース生姜焼き」

 

これだけ知っていれば大丈夫。ゼロから学ぶ「抗うつ薬」メカニズムから副作用、使い方まで

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312,716 回視聴  2022/04/03
01:07 向精神薬
04:08 セロトニンの再取り込み
07:55 抗うつ薬の副作用
11:20 抗うつ薬の使い方

今日は、抗うつ薬のメカニズムから副作用、そして使用方法まで説明します。

この動画は、初めて精神科へ行った人、これから抗うつ薬を飲む人、飲み始めたけれど先生からあまり説明を受けておらず心配だと思っている人に向けて、
・そもそも抗うつ薬はどういうものなのか
・どういうメカニズムがあってどういう副作用があるのか
・実際はどういう風に使うのか
・患者さんおよびご家族が知るべきこと
これらを全部説明しますので、最後までご覧ください。

ちょっと見づらいですが、左上から時計回りに説明します。

向精神薬

まずは精神科の薬にはどのようなものがあるのか、というところから話をします。

精神科で用いられる薬、精神=脳に影響を与える薬、脳の中でも精神に影響を与える薬を「向精神薬」と呼びます。
向精神薬は主に5種類あります。
抗うつ薬抗精神病薬気分安定薬抗不安薬睡眠薬、その他、です。
その他を入れると何でも5種類になるじゃないかと言われそうですが、ざっくりとこんな感じです。

主にうつ病の人には「抗うつ薬」を使います。
統合失調症の人には「抗精神病薬」を使い、双極性障害の人などには「気分安定薬」と呼ばれるものを使います。
オプションとして抗不安薬睡眠薬、その他と呼ばれるものには、漢方、認知症の薬(抗認知症薬)、発達障害の人に出すコンサータストラテラ、インチュニブがざっくりと含まれます。

抗うつ薬は、この5種類の中でも優秀な薬です。
副作用が少なく効果がしっかりあるということで結構使われています。
うつ病以外でも、不安障害(社交不安障害、全般性不安障害パニック障害)や強迫性障害の人にも使われます。

二次障害としてのうつにも使われたりします。
適応障害発達障害でうつが強い人にも使われます。
割と良く使われる薬です。

和食でいうところのお醤油のような感じです。
例えがわかりにくいかもしれませんが、精神科の中でも万能薬という感じはします。
それゆえに、使われ過ぎているのではないかという批判も受ける訳ですが、優秀な薬なので使われます。

抗うつ薬には、
SSRI選択的セロトニン再取り込み阻害薬
SNRIセロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害薬)
・NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬
・S-RIM(セロトニン再取り込み阻害作用ならびにセロトニン受容体調節作用)
があります。

メインがセロトニン再取り込み阻害薬と呼ばれるSSRIです。
SSRIのちょっと変形したバージョンがSNRIやNaSSA、S-RIMだったりするので、メカニズムとしてはSSRIを理解してもらえれば良いのではないかと思います。

セロトニンの再取り込み

SSRIセロトニンを「再取り込み」します。
ざっくりとした理解では、セロトニンは安心や不安、うつに関係する脳内物質ということは良く知られています。
それくらいの理解で別に悪くないと思います。
僕も大体それくらいしか理解していません。

ではセロトニンをそのまま飲めば良いのか、というとそうではありません。
それだと脳内のセロトニンは増えません。
脳にはBBB(blood-brain barrier、血液脳関門)があり、吸収したものが直接脳へ行かないようになっているからです。
脳は大事な臓器なので関門がきちんとある訳です。
食べたものがすぐ脳へ行かないようにできています。

なので薬としては、セロトニンを増やすために、セロトニンが捨てられるのをリサイクルするような作用の薬を飲むことになります。
セロトニンが破棄されないようにリサイクルするような薬を飲むことでセロトニンが増える、という理屈です。

セロトニンそのものが良いわけではなく、セロトニンを使っている「神経系」が大事です。
神経系というと難しいですよね。

脳は神経細胞の集まりです。
神経細胞の集まりの中で、セロトニンを主に使っている神経があります。
ドーパミンを主に使っている神経もあれば、セロトニンをよく使っている神経、ノルアドレナリンを主に使っている神経もあります。

主にセロトニンをよく使っている神経の集まりがあり、その神経の仲間がうつ、不安、安心に関与していると言われています。
セロトニンが増えることで、セロトニンに関係する神経、脳細胞の部分が増えます。

今までセロトニンが少なかったので神経細胞自体が萎縮していた、というイメージです。
萎縮していたので、セロトニンが増えることで「あっ、ここは大事なんだ」と思って、栄養が入って伸びて行きます。
木の枝が伸びて行くような感じです。
その結果、その部分が活性化してうつが良くなる、ということになります。

この過程は時間がかかります。
セロトニンが増えただけではダメで、セロトニンが増えた結果、セロトニンが関係する脳の神経細胞がワーッと少しずつ伸びて行き、うつが良くなる、ということです。
脳の成長のためには時間がかかるということです。

ここはイメージしにくいと思いますが、脳の中の神経細胞は森とか木、木の枝に似ています。
セロトニンは木にとっての水です。
水がないと木も枝も段々小さくなっていくという感じです。

もう少し言うと、うつ病は脳の中の炎症が関係していると言われています。
疲れたりストレスが溜まっているとどんどん脳が萎縮していきます。
萎縮した結果元気が出なくなるということなので、休む、きちんと疲れを取ることでセロトニンを増やしてあげると伸びて行くということです。

■副作用

元々セロトニンが少ない場所だったので、セロトニンが急に増えることで吐き気や消化器症状が出ます。
神経細胞が少ないので敏感になっていたんです。
しょっぱいものをよく食べていると塩味に慣れていきますが、あまり食べていないときに急にしょっぱいものを食べるととてもしょっぱく感じます。

僕はラーメンがめちゃくちゃ好きなんです。
ラーメンやラーメン二郎が好きなので、しょっぱいものや脂っこいものに慣れています。
でも初めてラーメン二郎を食べた人は、多分しょっぱくてビビると思います。
それはラーメン二郎が足りていないので敏感になっている、ということです。
敏感な人は塩味をよく感じるということです。

同じように、セロトニンが急に増えると吐き気などの症状が出ます。
ここはドクターの腕の差が出てくるところでもありますが、単純にゆっくり増やせば吐き気は出ない、ということです。
様子を見たり、薬を飲むペースが速いのであれば、ペースダウンをして身体を慣らしてあげるということが重要です。

この副作用に関しては、多少吐き気が出ても我慢してください、とよく言われると思います。
もちろん基本的には副作用は出ないのですが、よく出る副作用としては、こういう消化器症状がある、ということです。

しかし、薬を変更すべき副作用というものもあります。

変にイライラする、躁状態になってしまう「躁転」の場合、また何かイライラ(アクティベーション)して10代では自殺のリスクが上がったりするので、そういう場合は抗うつ薬が合わないということで変更すべきです。

尿閉、男性によくあるのが性機能障害があれば、これもやめましょうということになります。薬を変えましょうということです。

便秘も良くありますが、これは下剤で対応することもあります。
自律神経系に影響を与えるので妙にふらついたり、急に立ち上がるとふらっとすることもありますが、我慢できるようなら我慢してもらい、ひどいようなら薬を変えます。

足のムズムズが起きることもあります。
これはムズムズ止めを使うこともあれば、薬を変えることもあります。
ムズムズは結構気持ち悪いので、すぐ主治医に伝えてください。
電話でも良いと思います。
すぐ伝えて薬を変更するのが良いと思います。

副作用は使ってすぐ出ることもあれば、2~3ヶ月後に出ることもあります。
適宜主治医に相談してください。

■使い方

抗うつ薬の使い方はだいたい決まっています。
RCT(randomized controlled trial)で、どの薬が有効かということが比較検討されています。
それを基にガイドラインができているので、それに準じて治療しています。
医療者向けですがネットを探せば転がっています。
ここはあまり大きな声では言えませんがもし心配な方は見てください。

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一般の方向けに、わかりやすく、精神科診療に関するアレコレを幅広く解説しています。動画における、精神分析や哲学用語の使用法はあくまで益田独自のものであり、一般的(専門的)な定義とは異っているところもあります。僕がもっとも説明しやすいとたまたま感じる言葉を選んだだけなので、あまり学術的にとらないでいただけると嬉しいです。
   早稲田メンタルクリニック院長 益田裕介

【自己紹介】
益田裕介
防衛医大卒。陸上自衛隊防衛医大病院、薫風会山田病院などを経て、2018年都内で開業。専門は仕事のうつ、大人の発達障害。といいつつ、「なんでも診る」ちょっと変人よりの町医者です。
趣味は少年ジャンプとお笑い。キャンプやスキーに行きたいです。
2020年6月5日より断酒継続中。

【参考】
厚労省みんなのメンタルヘルス https://www.mhlw.go.jp/kokoro/
カプラン 臨床精神医学テキスト第3 https://www.medsi.co.jp/products/deta...
倫理規定について https://note.com/mentalyoutubers/n/nb...

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